Art Technique

 

    

CUERDA SECA     クエルダセカ

 7世紀より700年間、イスラムの影響を受けていたスペインは、他のヨーロッパ諸国とは全く異なった異質の文化が、開花しました。 15世紀にイスラムの陶工から、伝わったと、いわれる、クエルダセカ技法。表面に軽い凸凹があるのが特徴でその代表がグラナダにあるアルハンブラ宮殿です. アラベスク模様のタイルで至る所を埋め尽くされたこの宮殿は、まさにスペインにおいて開化したイスラム文化の最高の芸術品といえます.その壁は、 一見個々の幾何学タイルピースを組み合わせたモザイクタイルのように見えます。

 

AZULEJOS アスレッホス(水彩タイル)

 素焼きしただけのタイルのうえに、釉薬をかけ、焼く前にに、顔料で色をのせていきます。青、藍は、コバルト、マンガン、。緑は、銅や、ニッケル。 茶は、鉄,etc.一度本焼きした上から描いた物とはひと味違い、釉と顔料がしっくり馴染み、素朴な色合いが楽しめます。 バレンシアは、ヨーロッパ陶芸の発祥の地とも、いわれていますがバレンシアの港を出た船が、マヨルカ島をとおって、イタリアに渡り、そこで、マジョリカ焼きになったとも言われています. そして、イタリアから、北ヨーロッパへ伝わっていきました.マニセス、タラベラ、セビーリャを始め、スペイン各地で現在多く生産されているのが水彩タイルです。水彩タイルの歴史を遡れば、 14世紀、青1色または緑と黒2色で絵付けされたものが始まりで、タイルに限らずお皿や壷の装飾にもよく使われていました。現在の様な黄、オレンジ、青、緑・・・ と色とりどりで絵付けされるようになったのは18世紀になってからで、モチーフは宗教、生活の一部分、仕事、紋章などでした。

 

SOCARRAT ーソカラトー

 ソカラトタイルはかつて、陶芸で有名なマニセスと並ぶバレンシア屈指の窯場であったパテルナにおいて、15世紀から16世紀に盛んに作られたタイルです。ソカラトとはバレンシア語で、 “焦げ”という意味で、つまり“焦がすだけで簡単に作れるタイル”ということを表わしています。 実際、制作過程はいたって簡単であり、焼成も一度だけ、絵付けも赤と黒2色、 またはどちらか1色のみという素朴なタイルです。当時は芸術品としてのタイル画というよりも、天井の梁と梁を埋める、または軒下にはめ込む実用タイルとして生産されていました。 ソカラトタイルの一番の特徴はそのモチーフの愉快さにあります。絵の主体となるモチーフは、動物・鳥・人間・船あるいは空想上や伝説の生き物などバラエティに富んでおり、 その主体となるモチーフを取り巻き装飾効果を出しているのが幾何学模様、植物からとったモチーフなどです。ソカラトタイルのこれらの愉快なモチーフは、 5世紀という長い年月を経た現在にも受け継がれています。

スグラフィートタイル

 焼成前に、タイルの素地と違った色のエンゴーベ(化粧土)を塗り、乾いたら エンゴーベを削って 模様をつける。 焼成後は削った部分だけ素地の色が出る。中世のイギリスで作られたタイル。

MALLORCA  ーマジョルカ・マジョルカ陶器ー

 スペインの伝統的なタイル・陶器。素焼のタイル・陶器に白い柚薬をかけた後鮮やかな顔料で絵付けしてゆく。

 

 

 

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