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セメント 庭にセメントを使うことを敬遠する園芸家もいらっしゃいますが、庭の基本的なレイアウトを決める園路や花壇を作っていくためにセメントは欠かせません。 セメントは、通常出回っているのはポルトランドセメントという種類で、石灰石を原料とし、そのほとんどを国内生産でまかなえる数少ない資材です。ご存知のように水と練り混ぜることで硬化し、仕上げ材としても構造材としても利用されます。 セメントに砂と水を加えて練ったものをモルタルといい、それにさらに砂利を加えて練ったものがコンクリートです。セメント、モルタル、コンクリートの違いがわかりましたね。 モルタルはレンガを積んだり、石を貼ったりするときに欠かせない素材ですが、その場合の標準的な配合比は体積で、セメント1に砂が3です。施工になれないうちは計ってモルタルを作りましょう。 セメントは硬化に伴って収縮する性質があります。そのためモルタルの仕上げは乾くとひび割れる宿命があります。そのひび割れを小さくするため、壁仕上げでは下塗り、中塗り、上塗りと仕上げるまでに下地を何回かに塗り分けるのが昔の常識でした。でも最近は下塗り用のモルタルやひび割れの目立たない吹き付け材、モルタルの付きやすい下地板などがいろいろ開発されていて、モルタル仕事も一回で済んでしまうこともあります。 床のモルタル仕上げやコンクリートの仕上げもひび割れの危険がつき物です。セメントの収縮によるひびが必ずしも構造的に心配なひびではないのですが、土間などでは予めひびの入るところを予想して伸縮目地を入れておきます。伸縮目地はゴムやウレタンの弾力性のある素材で作られた帯状の資材で、土間コンクリートを打つ前に据え付けておきます。コンクリートを打設後ではその厚み分の細い線しか表面に現れません。土間はできるだけ正方形になるように伸縮目地で区切るとクラックが入りにくくなります。土間の形が折れ曲がっている部分などは特にひびが入りやすいので、伸縮目地を入れるようにします。車一台分くらいの土間までは目地無しでも問題ありません。 セメントの性質として気温が高い方が硬化するのが早くなります。またセメントに対し水が少ない方が出来上がりの強度は高くなります。そのため夏場の暑い時期はあまり大量のモルタルを練ると使いきらないうちに硬くなって、施工に苦労します。逆に冬場は硬化するのに時間がかかるので、次の工程に進むのにも時間がかかります。レンガを積んだりするとモルタルに扱いやすいやわらかさというのがあるのが判ります。あまりやわらかいと積んだとたんに重さで沈んできます。かといって硬過ぎるとレンガによく付着しないのです。セメントの量にしても職人によって微調整されます。セメント量が少ない方が付着しにくいので周りを汚しにくいという面もあります。セメントが多めの方が付着しやすいので、扱いやすい面もありますが、硬化も早いので手際よく作業をしていかないとなりません。 セメントの性質として覚えておかなくてはならないのは、白華(はっか)と呼ばれる現象です。これは硬化後に成分中のアルカリ分が雨などの水分で溶け出し、白い灰汁となって表面に現れる現象です。セメント製品には目立つものと目立たないものがありますが、アルカリ分はセメントの基本的成分なので、完全に防ぐことは不可能と思ったほうが賢明です。濃い灰色のはずのタイル目地などが白っぽく仕上がるのはこの白華現象のせいです。何年という長い年月の間に染み出なくなるものと思ってあきらめてもらうしかありません。一時的には、サンポールなどの酸性の洗剤で解けますが、また雨が降ると出ます。寒い時のタイル表面などは特に出やすいのです。 モルタルをそのまま床仕上げに使う場合、最もポピュラーなのはモルタル金ゴテ仕上げとモルタル刷毛引き仕上げです。金ゴテ仕上げは塗ったモルタルを仕上げ用の金属ゴテでてかりが出るまで押え均す仕上げです。押えが十分なほど硬化後のひびが細かくなります。 てかてかに仕上げた金ゴテ仕上げも月日が経つと表面がざらざらになって細かいひびは気にならなくなります。 刷毛引き仕上げというのは最後に左官用の刷毛で刷毛目を付ける仕上げです。滑りやすい部分などにはこちらの方がいいでしょう。更に滑り止め効果を必要とするところでは、竹箒などで箒目を付ける箒目仕上げを行うこともあります。 モルタル仕上げはモルタルに色粉を混ぜれば色の付いた仕上げになりますが、ペンキなどのように均一な色にはならないので、色をつけたい場合は通常別に仕上げ材を用意します。 その他にモルタルの仕上げとしては洗い出しという方法があります。モルタルに予め色砂利を混ぜておいて、塗りこんだ後に表面のモルタル分だけを水で洗い流す仕上げです。最近行っている方法では塗りこんだモルタルの上から砂利を撒いて、叩き込み、モルタルが硬化する前に表面のモルタル分をスポンジで拭き取る方法を取っています。
参考 セメント協会ホームページ、富士川建材工業株式会社、エスケー化研株式会社
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